文責:矢野峻吾(2024年度M1)

ポーラス金属は内部に多数の気孔を持つ金属であり,エネルギー吸収性に優れています.中でも方向性気孔を有するポーラス金属は蓮根のように内部に一方向に伸びた穴を持っており,一般的なポーラス金属に比べて優れた強度特性を持っています.このポーラス金属を輸送機器の構造部材や衝撃吸収剤材として適用することで,将来的に軽量化,燃費,衝撃安全性の向上が期待されています.しかし,実用化に際してはポーラス金属の強度特性の解明が不可欠となります.

本研究班では主に方向性気孔を有するポーラスアルミニウム合金の機械的特性の向上,圧縮変形挙動の解明を目的として研究を行っています.近年では,エネルギー吸収効率を低下させる,応力ドロップ発生のメカニズムや抑制法を明らかにするために,ポーラスアルミニウム合金の試験片を圧縮試験しています.これにより,衝撃吸収材としてさらに優れたポーラス金属を作成することに役立ちます.

図1 方向性気孔を有するポーラス金属

図2 圧縮中の試験片の様子

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(2024/03/26 更新)