文責:藤森俊亮(2024年度M2)

近年,自動車骨格部品において高強度化による薄肉,軽量化を目的とした高張力鋼板適用が進んでいます.低コスト・高効率で行える冷間せん断加工によるトリミングが多くの部品で採用されていますが, せん断面には大ひずみや引張残留応力が発生し,遅れ破壊が発生しやすくなるという課題があります.

そこで本研究では,打抜き時に生じる遅れ破壊要因のうちどの要因が破壊に寄与するのか、どのようなメカニズムで遅れ破壊が生じるのかを材料力学的なマクロな観点と金属組織などのミクロな観点から明らかにすることを目的としています.

これらの結果から,遅れ破壊発生箇所と発生時間の特定が期待されます.これにより,遅れ破壊が生じやすい製品を検出できるため、材料の破壊による事故を防ぐことができます.また,高張力鋼板の適用拡大にも繋がり,車体のさらなる軽量化,高燃費化にも貢献できます.

なお,本研究はJFEスチール株式会社との共同研究で行っています。

JFEスチール:https://www.jfe-steel.co.jp/

図 打ち抜き加工時の遅れ破壊の概略図

他の研究内容へ