自動車用構造部材に対する高強度化と軽量化の要求から,高張力鋼板の適用が拡大しています.しかし,高張力鋼板はプレス加工時に割れやすいという問題点があります.対策例として,加工中に金型を一時停止することで,成形品の割れを抑制できるとの報告があります.金型停止中,材料はひずみ一定で保持され,時間の経過とともに応力が低下します.この現象は応力緩和現象と呼ばれ,割れ抑制の要因のひとつとして考えられています.しかし,応力緩和現象と割れ抑制の関連性は未解明です.また,応力緩和中における材料内部の組織変化の検討は不十分です.

本研究班では様々なひずみ,ひずみ速度,温度における応力緩和試験から,応力緩和特性を把握しこれを表現する式の構築を行っています.また,応力緩和試験中の試験片の中性子線回折法による転位挙動のその場観察を行っています.以上を通して,応力緩和のメカニズム究明を目標として研究に取り組んでいます.

共同研究先: 理化学研究所 中性子ビーム技術開発チーム
共同研究先: 東京都市大学 強度設計システム研究室
共同研究先: 京都大学 浜孝之先生

他の研究内容へ